
梅干し
梅の木になる梅(果実)は日本人にはとても馴染み深く、梅酒、梅ジャムなどさまざまな加工食品として親しまれています。その中でも梅の実を塩で漬け込んだあと天日干しした「梅干し」は、おにぎりの具材にしたり、お弁当に入れたり、またはお茶漬けで食べたりと日本人とは切っても切れないと言っていいほど身近な食べ物です。

また弁当箱に炊いたご飯を敷きつめて真ん中に梅干しだけを入れたものは、白地に赤い丸だけの日本の国旗に見立てて「日の丸弁当」と呼ばれています。

天日干しなどで手間がかかるため近年では自宅で梅干しを作る人は少なくなり、スーパーマーケットなどの市販品を買う方が多いようです。
昔しながらの製法で作られた梅干しはとてもすっぱいです。すっぱいのが苦手な人にはハチミツを加えて甘く食べやすくした梅干しもありますが、私は昔しおばあちゃんが作ってくれたような、ひとくち食べたら顔が変形するくらいのすっぱい梅干しが好きです。梅干しがすっぱい理由はレモンやグレープフルーツに含まれている成分と同じ「クエン酸」の影響のようです。
梅干しの歴史はとても古く、奈良時代(西暦710年頃〜794年)には原産地である中国から日本へと伝わっていたことが分かっているようです。
長期間保存ができる事や栄養が豊富なことから、戦国時代には武士たちが戦の際の携帯食として梅干しを持参していたと言われています。
また梅干しには、食欲増進・疲労回復・血行促進・整腸作用など様々な健康効果があるとされていますので風邪をひいた時など体調が悪く食欲の無い日は、おかゆ(生米や炊いたごはんを水の分量を多くしてやわらかく炊いたもの)と梅干しで食事を済ませる日本人は多いかと思います。
日本のホテルでは朝食がバイキング形式の場合はメニューの一品に加えられている事もありますので、機会があれば是非食べてみてくださいね。
