大谷資料館(大谷石地下採掘場跡) ~那須滞在記②~

那須ファームビレッジを後にして、雨上がりの雲間から強い日差しを受けつつ、次の目的地を何も決められないまま車を走らせました。
誰からもアイデアが出ないので、以前テレビで見てかねてから行ってみたいと思っていた大谷石の地下採掘場跡を提案してみました。
が、家族誰一人ピンと来ず、場所説明するもなんともいまいちの反応。
よくわかっていない様子でしたが、次の目的が決まりました。

大田原市から南へ高速を使い1時間ほど下ると、宇都宮市に入り大谷石資料館のある大谷町に着きました。
昼前でしたが、もう駐車場はだいぶ混み始めていて、思ったより人気の観光スポットなのだなと実感しました。
駐車場から300mほどばかり進むと、大谷石資料館の入り口が見えてきます。
巨大な切り立った壁がお出迎え、すでにそこで圧倒されます。
入り口近くにはrock side marketなるお洒落なお土産さんとカフェがあって、かき氷やジェラートがとても美味しそうでした。(資料館へ入る前に食べるのはおすすめできません!寒いので)併設されているお土産屋さんには大谷石を使った箸置きやキャンドルスタンド、コースターなどセンスの光る置物がいくつもレイアウトされていて、多くの人でにぎわっていました。

いよいよ地下30メートルの巨大な地下空間に潜入です!
入場料は大人800円の子ども400円、未就学のこどもは無料になっており、狭い階段を道なりに、地下へ地下へと降りていきます。
蒸し暑い外の空気と打って変わって、急にひんやりと大気が変わるのが分かります。
館内の気温は14℃程度。いやもっと低そうです。かなり涼しいですね汗
降りていく途中で視界が開ける場所があるのですが、まずそこで
なんとなく想像していた以上に広大に広がる地下空間に圧倒されます!
鍾乳洞のように自然が織りなす造形とは違って、人の手で測量して岩を削り出した跡なので、直線的でキレイにくりぬかれていて、ピラミッドのような遺跡のようです。
(行ったことはありませんが笑)

ここで大谷資料館とは一体何かをお伝えしようと思います。
資料館下のこの地下採掘場後は1919年から1986年までの約70年間をかけて、大谷石と呼ばれる大谷町付近一帯で採掘される軽石凝灰岩の石材を掘り出して出来た巨大な地下空間です。
大谷石は、柔らかく加工がしやすいことから、古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきて、現在も蔵の壁面などに使われているそうです。
その広さは2万平方メートル(140m×150m)に及び、野球場が一つ入ってしまう大きさで、坑内の年平均気温は8℃前後で、地下の巨大冷蔵庫といった感じ。
戦争中は地下の秘密工場として、戦後は政府米の貯蔵庫として利用された歴史があり、現在に至っては、コンサートや美術展、演劇場、 地下の教会として、また写真や映画のスタジオとしても注目を集めているそうです。
という紹介ですが、我々が訪れた日も、地下空間の随所にアートがあり、ライトアップにより一層、神秘的になっていました。
大谷石自体はさほど珍しい石ではないのですが、採掘跡の空間がとても魅力的でその異質な空間と開催される各イベントとの相性といいますか、非日常的な演出となって特別な体験をさせてくれるのです。

順路に従って深部へ降りていくと中はとても広く、空を見上げると正方形に削り取られた(まるで超能力でそぎ取られたみたいな)空間から空がのぞき、光の筋がスーッと中に降りてきていたり、立ち入り禁止ではありましたが、教会があったり、暗くてよく見えなかったのですが、雨水などがたまって巨大な貯水池(水深およそ30m)になっている所があって、柵越しにみても、中に吸い込まれそうな怖さがあったりと、見どころ満載でした。
一部エリアでは、この地下神殿を使った撮影された映画やドラマ、イベント時の写真が飾ってあり、特に特撮の撮影などで見たことがあるシーンが貼ってあるのを見ると、ひとりニヤニヤとしてしまいました笑。
最近でもNETFLIXのドラマ撮影やミュージックビデオの撮影があったようで、子どもたちも、すごーい!と驚いた様子で、連れてきた甲斐がありました。

前述でふれた資料館入り口にあるrockside marketではrockside weddingとして結婚式を取り扱っているようです。
ちょうど、新郎新婦が誓いをたてるところの頭上の岩には切れ込みがあり、太陽の光が差し込んでとても幻想的です。
教会式から神前式、人前式、和人前式まで色々な挙式スタイルをプランニングしてくれて県内随一のフレンチレストランが最高の料理でおもてなししてくれるそうです!
ここで挙式をする人は、本当に忘れられない日になりそうですね。

ただの石とはあなどれません。とても神秘的で幻想的。自然が創り出したものではないけれど、圧倒的で異質な空間にみなさんも魅了されると思いますので、ぜひその目で見ていただきたいなと思います。

Profile

Chris·P·Bacon
Chris·P·Bacon
鎌倉生まれ横浜育ち、6年間イギリスに島流し経験あり。
車いじりが好き、サッカーが好き、AKIRAが好き、韓国のある女優さんを推す2児の父。
座右の銘は、駑馬十駕 左右の目は2.0と1.2
好きなサッカークラブチームはリヴァプール
好きな選手はエリック•カントナとガットゥーゾ
東京23区外、東京都の小田舎といわれる地域に住んでます。

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