日本の風物詩「梅仕事」

最近、SNSなどで「梅仕事」の記事をみかけるようになりました。コロナの自粛期間ごろから年々増えているように思います。多分コロナ自粛の2020年の時にアップされたSNSやWeb記事をみた人が「来年は自分でもやってみよう!」と思い、またご自分の「梅仕事」をアップすることで徐々に増えていったのかと思います。

「梅仕事」とは梅が収穫されて出回る季節に、梅を使った梅干し・梅酒・梅シロップ・梅ジャムなどの保存食を作ることです。日本では昔から各家庭でその家のオリジナルのレシピで受け継がれてきました。現在では自分で作ることでの安全性や、健康志向の点からも注目されています。また「梅仕事」は季節を感じながら手作りの楽しさを味わえます。

かつて「梅仕事」は日本各地で見られる季節行事のひとつでした。2月に花が咲いた後に梅の実が収穫できるのは、ちょうど「梅雨」の季節にあたる6月頃です。日本では毎年6月になるとスーパーに梅や保存容器が並びはじめ、梅雨が明ける7月になると、梅干しをザルに広げて天日干しするという光景が、いまでも田舎の方でみられます。

「梅仕事」の中でも特に手間がかかり難しいのは「梅干し」作りではないかと思います。「梅干し」は黄色みがかって甘い梅の香りがする完熟した実を使います。青色の実は梅酒用なので梅干作りには適しません。

ざっくりとした工程は以下になります。

1.梅の下処理:洗う前に梅の黒いヘタを1つずつ取り除き、水の中でやさしく洗って水気を切ります
2.道具の消毒:漬け込む容器、重石、落し蓋をエタノールなどで消毒します。
3.梅を塩漬け:梅の重量に対して18%〜20%の塩を使い、落し蓋をして梅の重量の2倍ほど重石をします
4.梅酢が上がるのを待つ:重しを乗せたら、数日~1週間ほど待つと梅から水分(梅酢)が出てくるので、梅全体が梅酢に浸かったら重石を調整し、塩が溶け切るまで冷暗所で置いておきます
5.天日干し:3日間ほど晴れの続く日を見計らって、大きなざるを使い天日干しをします。天日に干すことで、余分な水分が蒸発して保存性を高めます。

梅と塩だけで漬けた「白干し梅」や、赤しそを一緒に漬けた「しそ漬け梅」、はちみつを加えた「はちみつ梅」など、さまざまな種類があります。できあがりまで1ヶ月半程かかります。

また塩漬けの工程でできる「梅酢」は、ドレッシングにしたり、別の野菜を着けたりと調味料の一つとして使えます。

実家には梅の木がありますので、私自身もまだ祖母が存命していた時は梅干し作りを手伝いました。今もよく晴れた暑い日に、学校から帰ると庭に梅が干されていたことを、梅干しの匂いと酸っぱい味とともに思いだします。祖母が亡くなった今でも、あいかわらず梅の木は実がなりますので、父と母が自家製の梅干しと梅酒を作っています。来年は私も庭でとれた実を貰って作れたら…と考えています。

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KimIjwmi
KimIjwmi
経年劣化の為あちこちに不具合がでて通院中。歩く速度は 5km/h

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