
やっぱり花より団子。
春は、始まりの季節だ。
冷たくひんやりとした空気から、暖かい日差しが背中に当たり始める。
あたたかな風を感じると、なんとなく心が軽くなる気がする。
公園の桜のつぼみがようやく膨らみ始めると、今年もこの季節が来たのだと実感する。
ちょっと前までは、そんな感傷に浸ることも無かったのだが、そう感じる歳かと気付かされる一方で、私にとって春は、くしゃみから始まりくしゃみに終わる、花粉症の季節の到来を告げる時期でもあり、中々厳しい季節でもある。

それはさておき、
江戸時代、4代将軍徳川家綱の命によって桜が植えられ、1717年には8代目将軍徳川吉宗が100本の桜を植え足した記録が残っている隅田川両岸の桜並木。
現在では、墨田区側に約300本、対岸の台東区側に約600本の桜が植えられ、両岸1キロにわたって桜並木が続いている。
なぜ、隅田川の桜並木の話をするのかというと、実は、私の先祖代々のお墓が、東京スカイツリーを真上に見上げる範囲内にあるお寺にあり、家族でお墓参りを終えて帰る際に、必ず寄るところがあるのだ。

隅田川のほとり、墨田区向島に300年以上の歴史を誇る和菓子の名店、長命寺桜餅。
創業は1717年(享保2年)、まさに吉宗公が100本の桜を植え足した時にその花見客向けに考案されたのがこの桜餅の始まりで、土手の桜の葉を樽の中に塩漬けにしたものをお餅に巻いて向島の名跡長命寺の門前で売り始め、当時の花見客に大いに喜ばれたそう。
小麦粉製の薄皮のもちを薄く伸ばした白い餅皮でつつまれた北海道産の小豆でできたこしあん
さらにそれを西伊豆•松崎産オオシマザクラの葉を塩漬けにした葉で包まれて出来たのが、長命寺の桜餅。
お餅に移った桜葉の香りと餡の風味が堪能できる絶品だ。
幼少期から、お墓参りの度に寄ってはこの桜餅を食べてきたので、正直それ以外の桜餅を食べたことがなかった。
桜餅を日常生活でたべること自体あまりないことなので、他と比較検討する機会が無かっただけなのだが、大人になって経験していく中で、やはりここの桜餅が一番美味しいと気付かされたのだ。
お店への問い合わせには、「葉は取るのか、食べるのか」という質問が多くあるそうだが、
どう頂こうが正解はなく、それぞれお好みでというスタンスではあるものの、葉を外して、戴くのをお勧めしている。
とにかく無性に食べたくなる時があるのだが、こんな便利な世の中でもオンラインでは購入できない。
非常に繊細な製法のため、日持ちがしないので、購入当日中にいただくしかないのだ。
お持ち帰りはもちろん、店内でも煎茶付きでいただける。
隅田川沿いにお越しの際はぜひともお勧めする逸品のお店。
私にとってやっぱり花より団子の季節。
Profile
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鎌倉生まれ横浜育ち、6年間イギリスに島流し経験あり。
車いじりが好き、サッカーが好き、AKIRAが好き、韓国のある女優さんを推す2児の父。
座右の銘は、駑馬十駕 左右の目は2.0と1.2
好きなサッカークラブチームはリヴァプール
好きな選手はエリック•カントナとガットゥーゾ
東京23区外、東京都の小田舎といわれる地域に住んでます。
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