梅は咲いたか 桜はまだかいな

日本には季節があり、その折々に木々や草花が花を咲かせ、花から季節を感じることができます。
世界でも日本の桜は有名かと思います。最近では桜の季節に合わせて来日される外国人の方も多いそうです。

そんな多くの人に愛される桜のですが、私は梅の花が季節の花の中で一番好きです。
梅の花はわずかに香りがあり、その香りは甘いとは違うみずみずしさで、いつも冬の夜を連想します。

私の梅の花の原風景は、実家の玄関近くに植えられた梅の木です。2 月のまだ日が短い時期、帰宅すると暗がりから、ほのかに梅の香りが漂ってくるのです。その匂いを嗅ぐと「今年も春がくるんだ」と 2 月の冷たく澄んだ寒さの中で毎年感じました。桜の開放的で明るい世界とは違い、暗がりでわずかな希望を探すような、。

そんなわけで、私が一年で一番楽しみにしている梅の開花に合わせて、先日都内の梅まつりに行きましたが、ちょっとがっかりしてしまいました。
屋台のソースの匂いしかしないのです。どんなに梅の花に鼻を近づけても、邪魔をしてくるソースの香り…私の思い出と心がソースで塗り替えられそうで、早々に帰りました。

ご存知かと思いますが、人間の五感の中でも香りを感じる嗅覚だけが、記憶をつかさどる海馬という脳の部位に、ほぼ直接的に信号を送ることができるそうです。
https://www.artlab.co.jp/blog/etc/fragrant_etc_01
皆さんも香りから過去を思い出す経験があるかと思います。例えば近所の家から漂うカレーの香りなど…（ついでに味も思いますますね）

梅まつりで心砕けてしまいましたが、やっぱり今年の梅はちゃんと楽しみたい！と思い、別の日に改めて近所を探索し、ソースの香りがない梅の花を堪能することができました。

しかし今年は暖冬で、汗ばむくらい暖かい陽気の中で嗅ぐ梅の香りはやはり記憶と違っていました。

なんだか香りがぼやけているような…？もしかするとかじかむ寒さの中でこそ匂いがはっきりする
のか…

今年の梅はもうすぐ終わりそうなので、来年、あらためて寒い薄暗がりの中で咲き始めの梅を探し
て楽しみたいと考えております。

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