生演奏の魅力

「音を浴びること」
趣味を聞かれたとき、私は度々こう答えます。

音楽を聴く媒体として、定額制音楽配信サービス・YouTube・レコード・CD など、いつでも手軽に音楽を楽しむことができる中で、生演奏でしか得られない面白さや醍醐味があり、私は音を浴びにライブに行くことが何よりも好きです。

ライブの最大の魅力は、全身で楽しめることでしょうか。音楽は耳で楽しむもの、映像を含めれば目でも楽しむことはできます。でも、実際行くことでしか味わえない音の響き・息遣い・演者の姿・パフォーマンス・照明などの演出・会場の空気・お客さんの様子など、五感をフルに刺激されるエモーショナルな空間だと思っています。

幼少期にピアノを習っていたことがきっかけで、音楽や楽器に興味を持ちました。

初めて行ったコンサートは、5〜6歳の頃父親に連れられて行った、日本人ピアニスト中村紘子さんのソロコンサートだったと記憶しています。

広い会場の真ん中にぽつんと佇む、黒く光る大きなグランドピアノ。そこへ、品があり煌びやかなドレスに身を包んだ中村さんが登場すると、会場からは大きな拍手。
一瞬静まり返る会場。空気が変わり高まる緊張感。
そして演奏が始まると、柔らかくて温かみのあるピアノの音色が会場全体を包み込む、空気中にその音色が充満する様子は、まるで音符が流れて見えるように感じました。
それまで CD でしか聴いたことのなかったショパンの名曲たちが生きているような感覚、一瞬でそのハーモニーのとりこです。
その日のことは幼いながらにとても感情を揺さぶられたことを覚えています。

それから月日を重ねて聴く音楽のジャンルが増え好きなバンドやアーティストができると、生で聞いてみたい欲が強くなり様々なライブへ足を運ぶようになりました。

ライブといっても会場の規模も様々です。
東京ドームやアリーナなど 3〜5万人収容できる大規模コンサート(演出のド迫力やオーディエンスの一体感が生まれた時の半端ではない高揚感は圧巻)、ZEPPなどオールスタンディング形式の2〜3千人規模のライブ会場(個人的には一番好きな規模の会場、こぶしを突き上げて熱気を肌で感じ全身で満喫)、100 人前後の規模でステージと客席が近く一体感が強いライブハウス(アーティストとの距離感が近いので一緒に盛り上げている感が強い、酸素が薄くなりやすいので注意)、食事やお酒を楽しみながら生演奏を聴くレストラン形式のライブハウス(良質な音楽と美味しい食事で舌も喜ぶ上質な空間)等。

音楽のジャンルや会場も様々ですが、好きなアーティストの演奏を生で経験する喜び、録音されたもので聴いていただけでは分からなかった音色を感じたり、同じ曲でもその時々で新たな発見がある、そんな一期一会の体験はやめられません。
その場にいないと味わえない音の空気を全身で浴びるため、さて、次はどこに行こうかな。

※写真はイメージです

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