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人生初のバレエ観劇!〜新国立劇場・世界初演「子供のためのバレエ〜人魚姫〜」〜

夏休み期間中限定子供向けの童話バレエを見に、新国立劇場に行ってきた。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/littlemermaid/

これまで、オペラや現代芸術ダンスなどは見にいったことがあったが、バレエは見たことがなかった。なぜだか、映画やドキュメンタリーを見て、その独特の世界に、「わかっている人じゃないと見に行けないものだ」と、勝手に思い込んでいたのもあるかもしれない。(オペラは一言もセリフわからないの行ったくせに…)

田舎にはバレエ教室もなく、私が子供の頃にはすでに習い事としてのブームは去っていた印象だった。いまだに知っているダンサーは熊川哲也と吉田都だけ…という日本人は私だけではないだろう。

しかし、調べてみると、外国人有名ダンサーの来日ではないものであれば、チケットもピンキリであることを知り、思い切ってこちらの劇場に観に行くことにしてみたのだ。

毎日どこかで何か、思い立ったらすぐ文化的なものに簡単に触れることができるのが、東京のいいところだ。

しかし、劇場マナーすら知らない私は焦っていた。

靴は革でないといけないのか?サンダルはNGなのか?スーツを着ないといけないのか?…などなど。
とりあえず髪の毛だけでも綺麗に整えて、いざJRで新宿から初台駅へと乗り換える。
徐々に乗客の姿が、いかにも”バレエ習ってます!”と言わんばかりのとてつもなく姿勢のいい母娘だらけに…これは、同じ目的の集団だなと推理してあとをつけて劇場へと向かった。

木造の近代的な構造の建物に入り開場を待つ間、ここだけで食べられるスイーツの販売やバーカウンター、実際のバレエ衣装の展示などが並ぶ。
プログラムは無料でもらえるものなのを知らずに「お会計はどこですか?」などとスタッフ様に聞いてギョッとされたり、恥をかきつつ、座席につく。
ほとんどが母娘連れかバレエ仲間らしい女友達の集団。中には、スイーツ食べに来ただけでは?!と思われる、ケーキまとめ食いの人や、主演ダンサーの追っかけの人など、種々雑多な人間観察も楽しい

流石の夏休み興行で、平日にもかかわらず満席!
普通、バレエは3時間が基本だそうだが、今回は子供の集中力に合わせて、前半45分→20分幕間休憩→後半1時間という内容。
劇場の空調にすっかり癒されてのんびりしている間に、開幕!

第1章は、海で溺れた王子が人魚姫に救助されて目を覚まし、陸で快気祝いパーティーを開く中、人魚姫に思いを馳せるシーンから、王子に恋した人魚姫がタコの魔女に魔法で声の代わりに足をもらい、想いが通じ合わなければ王子を殺すか泡になって消すと脅されるシーンまで。

もう、なんといいますか…たった45分(体感5分)で、私は今までバレエというものを図らずも舐めていたことに気付かされたのです…

金箔で表現される星と紫のライトで表現される夜空の中、貴族たちが一斉に踊り出す群舞のシーンは圧巻。(ぴったりと息がそろった集団ダンスは「コールド」と呼ばれる技で、客席側からだけでなく横一列、後方まで位置が揃ったまま踊るので、間違えると凄まじく目立つ、難しい技である。)

第2章は、陸に上がった人魚姫と王子の再会、言葉が話せないことからすれ違い、結局婚約者との結婚式を見せつけられるも、王子の幸せを願い、魔女の脅迫にも屈せず一人海の泡と消えるラストまで。

もう、なんといいますか(2回目)…結婚パーティーの乱舞は凄まじい盛り上げぶりで、人魚姫の絶望が「これでもか!」と強調されている。(※筆者はなぜだか手塚治虫先生の群衆シーンを思い起こした)

ラスト、海の中で、「もしも結ばれていたら…」と、想像の王子と一緒に踊る二人だけの”Pas de deux”(バレエ用語で男女のペアダンスのこと)は涙無くしては見られなかった。

筋だけ聞くと大変暗い話だが、今作はちゃんと子供の目を引くコメディーリリーフもあり、特に男性キャストが演じるタコの魔女が素晴らしい!
8本足を巻きつけた分厚い衣装のまま踊る、回る。ドラァグクイーン風ド派手ビジュアルで爆笑をさらって行った。(近くの席の子供たちは、なぜ男性が魔女役なの?としきりに親に聞いている子が散見され、返答に困った親が「上手だったら誰がやったっていいでしょ!」と言い返していたのには笑った。本当その通り。)

主演ダンサーが登場するたびに、全席のオペラグラスがザーッと一斉に動くのも、劇場に実際に来ないとわからない醍醐味。

カーテンコールでは一転して、ダンサーの皆さんが人間に見え、さっきまでまるで動く絵画を見ているようだったとは思えない。*カーテンコールのみ、自由に撮影okでした

子供向けの上映時間とはいえあまりにあっという間だった。
ダンサー違いで毎日同じ演目を見に来る人の気持ちが初めてわかった気がした。
拍手のタイミングやフォトコールなど、知らないことがいっぱいで、周りの真似をしながら精一杯観劇を楽しんだ。

もっと見にこよう…そう誓った一日だった。

Profile

momoPB
momoPB
新潟県出身。田舎生まれ女子校育ち。
最近クラシックバレエを習い始め、怠惰な心身を鍛えるべく日々奮闘中。
趣味はいろんな国のオーガニック商品のパッケージ集め、アプリで縁起のいい方角を探すこと。
好きな食べ物は炊き込みご飯、苦手なものはマヨネーズ。

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