腕時計回帰〜OMEGAのDE VILLE50’s〜
iphoneを使ったことがない。SNSを利用したこともない。
そんな人間が今時いるのか?…いる。そう、筆者である。
ほとんど機会を逸して生きてきたと言っても過言ではない。人は必要に迫られなければ何も求めることがない…そう思うのだ(悟りに見せかけた強がりである)。
そんな私はついに、最近、腕時計を使い始めている。
きっかけは朝から晩までケータイ画面で時間を確認していることからくる目や手首の疲れと、ケータイを忘れて外出した際に、気づけば街中に「時計」なる存在が破棄されていることに驚いたこと。今時はコンビニにすらないのだ!
…突然話は全く変わるが、以前フランスの哲学者・ベルクソンの「時間と自由」を読んだ際に、それまでずっと”時間そのもの”についての論考だと思っていたが、実際には邦訳が「時間」とつけただけで、本当は『意識に直接与えられたものについての試論』というタイトルなんだそうだ。
しかし言葉の印象の強さとは如何許り、私のような思い込みで読み始めた人は相当数いる…はずだ(いてくれ)。
とはいえ今回はベルクソン云々ではなく、腕時計の話がしたい。
ものすごく端的にいうと、要は「オシャレの一環として付けられてしかも便利なんて最高じゃん★」ということ。
個人的に手巻き式が好きなのだが(自動巻きだと腕がゴツく見えるデザインが多いと思う)、近年、専門店に行かなくても普通のお洋服屋さんで手巻き式のアンテイークウォッチを取り扱ってくれるところが増えてきた。
以前はアンティーク屋さんも女性一人で行くとすぐに冷やかしだと思われて嫌な目に遭ったのが懐かしい…
中でも、OMEGAのDE VILLE 50年代のデザインが好きで、オークションサイトなどで見るだけでも楽しんでいる。
こちらは現在のOMEGA DE VILLE↓
https://www.omegawatches.jp/watches/de-ville
デ・ヴィル:洗練された美しいコレクション | OMEGA JP® オメガ
車もそうだが、時計にもフェイスの流行があって、今はどのブランドも似たり寄ったり。性能を取るか純粋に見た目をとるか…と言ったところだろうか。
写真のOMEGAは50年代のwomen’s dress watch。
オークションサイトで発見し購入したものだ。ベルトは合皮に付け替えてしまったが、未だ現役で起動している。
オークションと聞くとすごく高そうだが、実はヴィンテージウォッチはもう部品自体がない場合が多く(アンティークだとネジが木製だったりする!)、壊れたら飾っておくしかないため、ジャンク扱いで破格の値段で売買されているのだ。
なのでブレスレットがわりにしている人も多い。時を刻んでいなくとも、見る人がみれば「君、知ってるね…」と好き者同士、目で会話する楽しみもある。
昨今ファッションへの興味関心は、「人と違っていたい」「カッコつけたい」という他人を排除するものだったのが、いつしか「同じもの(ジャンル)が好き」「共有したい」という合図のようなものとして進化してきたと思う。
しかし制服でない限りは、見た目のどこかに”その人らしさ”は現れてくる。特にそれが顕著なのは小物(アクセサリー)になってくると思うのだ。
古い言葉だが「男は車で、女はバッグで(選ぶ相手の)好みがわかる」というように、ファッションはその人を知る上での最も強力なデータとなる。
…とかなんとか言っていたら、だんだんまた話が逸れてきた。
こんな大袈裟な話でなくとも、日常に自分なりの洒落っ気を加えている人はそれだけ心に余裕があり、魅力的な存在だと思う。
時間すら”便利さ”に消費するほど効率的な世界なら、むしろ”時間”を装いに加えてしまおう。人生を楽しむ(ファッション)とはその場限りの一瞬なのだから。
腕時計にはそんな魔力があるような気がするのだ。
…と言いつつ、来年の今頃にはもはや腕時計もつけず、日時計で時を読んでいる私がいるかもしれない…
Profile
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新潟県出身。田舎生まれ女子校育ち。
最近クラシックバレエを習い始め、怠惰な心身を鍛えるべく日々奮闘中。
趣味はいろんな国のオーガニック商品のパッケージ集め、アプリで縁起のいい方角を探すこと。
好きな食べ物は炊き込みご飯、苦手なものはマヨネーズ。
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