”なんてことない”からこそ愛される〜PILLIVUYT のティーポット〜

1818 年、Pillivuyt(ピリヴィッツ)社はフランス中部の小さな街に創業し、今日に至るまでの
200 年以上にわたる長い歴史の中で、職人による細やかな技術と近代的な生産技術を融
合させ、高品質なテーブルウェアを生み出している陶磁器ブランドです。
伝統あるクラフトマンシップと優秀な産業を維持するフランス企業に与えられる称号
「Entreprise du Patrimoine Vivant」に認定されたりと、とても華々しい経歴もありますが、な
んと言っても、ヨーロッパ中の大衆食堂やカフェ、給食でも使われているくらいの”定番食
器”なのです。

ピリヴィッツの食器は、やや青みを帯びた白色で、この独特の色味が、和食器との相性も
良く、どこの食卓にも馴染みます。
真っ白とは違うのでどこか安堵感を感じさせると思います。
「サンセール」「パリ」「クラシック」などシリーズ展開しているんですが、何でもかんでも乱発
しているのではなく、基本的にはカップ・ボウル・お皿・ポットくらいのラインナップしかなく、
絵柄もないストイックなデザインばかりで、バラバラに買っても統一感が出ます。
あまりのシンプルさに、フランス映画を見ていると、キッチンや食卓のシーンで頻繁に登場
しているのを見つけることができます。それだけ「どんなシーンにでも馴染む」デザインなん
ですね。

私は「クラシック」のティーポット S サイズを愛用しています。
S といっても日本の茶器の倍はある!
ぽってりして角がないデザインですが、たくさんお茶が入り、注ぐときもドバッと飛び出しま
せん。
機能性と日常生活を大切にしたデザインで、全く気取った感じがしないのがいい。
難点といえば、昔ながらの設計なので中にお茶殻仕切りがついていないので、茶葉は丸ご
と出てきてしまうため、茶漉しは必須です。
めんどくさいですが、一手間かけた時間を大事にしたいものですね(といいつつ、結局めん
どくさくて毎回カップにお茶葉を浮かしたまま飲んでいます…)

しかし、このポットはもう廃盤になってしまい、手に入りにくいものになってしまいました。
…なんという事でしょう…最近調べたら、こちらに合わせたコーヒーカップ&ソーサーも狙っ
ていたんですが、一緒に廃盤。

日本でもそうですが、世界中どこでも、なんでもすぐ新しくなってしまい、少し寂しい気持ち
がしますが、だからこそずっと大切に使っていきたい気持ちや、良いものを見抜く力がより
強く磨かれるのかもしれないですね。

とはいえ、今後は本当に好きなものは廃盤になるほどいつまでも悩まずに、颯爽と買える
ようになりたいな〜と思います。

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