早稲田の日常〜夏目漱石記念館&カフェ〜

東京・早稲田にある「夏目漱石記念館」へ行ってきました。
夏目漱石は、現代日本の小説の元となる近代的な書き言葉による小説を確立した作家で、海外では「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」などが有名です。
私の子供の頃などは、国語の授業で必ず読まされました。

彼が生まれ育った早稲田は東京大空襲の際に被害が甚大で、彼のゆかりの品はほとんど消失してしまっていたそうですが、ご遺族や門下生達の協力のもと、新宿区がこの記念館を設立しました。
館と言っても、住宅街の中にぽつんとあるガラス張りの小さな建物で、一見おしゃれな建築家の個人宅のようにも見えます。小さなお庭がついた玄関は、天気の良い日に行くと、実をつけたイチヂクの木に蝶々が舞い、のどかな日本の情緒を感じます。
1 階は漱石の人生年表と作品の閲覧室、2 階は企画展で構成されており、直筆の原稿も多数展示されています。

万年筆で書くのがこだわりだったようで、転々とインクが染みた形跡のある原稿を見ると、意外にも丸っこく可愛い字を書かれたようで、妙に親近感が湧きます。

漱石が執筆のために籠っていた書斎を完全再現したエリアは必見!

骨董や文机にもこだわりがあったようですが、自慢するためではなく、吟味して本当に好きなものだけを使っていたことがよくわかる、質素ながら上質な部屋。
絨毯の上に火鉢を置いたりと、和洋折衷感のあるモダンなセンスに、イギリスに単身留学していたこともある彼の美意識の高さが感じられますね。

等身大の人形もあります!

併設されているカフェでは、漱石が好んだ柿の葉茶やコーヒーが楽しめます。季節限定でケーキや和菓子も出してくれます。
漱石は大変な甘党で、亡くなる原因となった持病の潰瘍性胃腸炎で何度倒れても、お饅頭や羊羹を毎日食べたがり、家族や医者を困らせたそうです。なんとも愛らしい人ですね〜

当館のロゴマークは、漱石の作品「吾輩は猫である」に因み、本の発売当時に実際に装丁で使われた猫のイラストをマークにしていて、とてもかわいくて気が利いています!
あまりに可愛かったので、ロゴの刺繍された布巾を購入。紙コップは捨てずに、いただきました…

早稲田の住宅街に突然ポツンと佇むこの記念館は、地元の人には静かに読書できる気軽にスポットとして利用されているようでした。

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