
日本の四季を彩る12ヶ月の花
日本には四季があり、それぞれの季節に美しい花が咲きます。
花を愛でる文化は、自然を大切にする日本人の心を表しています。
この記事では、1月から12月まで、月ごとの代表的な花と、その意味や見どころ、代表的な名所を紹介します。
●1月 – 梅(うめ / Ume)
1月下旬から2月にかけて咲く梅は、まだ寒さが厳しい時期に春の訪れを告げる花です。
白や淡紅色、紅色など多彩で、香り高く、古来より和歌や絵画の題材にもなってきました。
奈良時代には花といえば桜ではなく梅を指すほど重んじられていました。
梅の名所「偕楽園」茨城県・水戸市
●2月 – 福寿草(ふくじゅそう / Fukujusou)
雪の合間から黄金色の花を咲かせる福寿草は、旧正月の飾り花としても親しまれます。
「福」と「寿」という漢字を含むことから、縁起物としても人気です。
まだ木々に葉がない中で輝くように咲く姿は、春への希望を感じさせてくれます。
福寿草の名所「沼ノ平」福島県・喜多方市
●3月 – 桜(さくら / Sakura)
3月下旬から咲き始める桜は、日本を象徴する花です。
特にソメイヨシノが全国で多く植えられ、開花時期には花見が盛んに行われます。
桜は散る姿も美しく、日本人の無常観や侘び寂びの精神にも深く結びついています。
桜の名所①「上野恩賜公園」東京都・上野
桜の名所②「吉野山」奈良県・吉野郡

●4月 – 藤(ふじ / Fuji / Wisteria)
4月下旬から5月にかけて咲く藤は、紫色の花房が垂れ下がる優雅な姿が魅力です。
古くから和歌や物語に登場し、平安貴族の装束や家紋にも使われてきました。近年では藤棚のライトアップも人気です。
藤の名所「藤公園」岡山県・和気町
●5月 – 牡丹(ぼたん / Botan / Peony)
牡丹は「百花の王」と称される豪華絢爛な花で、4月下旬から5月に最盛期を迎えます。
中国では富貴の象徴とされ、日本でもその美しさから庭園に多く植えられています。色も赤、白、ピンクと豊富です。
藤の名所「由志園」島根県・松江市
●6月 – 紫陽花(あじさい / Ajisai / Hydrangea)
梅雨の時期を彩る紫陽花は、雨に濡れていっそう色鮮やかに映ります。
土壌の酸性度によって青やピンクに色が変わる性質を持ち、寺院や庭園での名所も多く、鎌倉の長谷寺や明月院は特に有名です。
藤の名所「由志園」島根県・松江市
●7月 – 蓮(はす / Hasu / Lotus)
7月から8月にかけて咲く蓮は、仏教と深い関わりがあります。
泥水の中から清らかな花を咲かせる姿は、煩悩を超えた悟りの象徴とされ、寺院の池に多く植えられています。
朝に咲いて昼には閉じるため、早朝に観賞するのがおすすめです。
蓮の名所「花はす公園」福井県・南条郡
●8月 – 向日葵(ひまわり / Himawari / Sunflower)
夏を代表する花といえば向日葵。太陽に向かって咲く姿は元気と生命力の象徴です。
大輪の黄色い花が一面に広がる向日葵畑は圧巻で、北海道の北竜町や山梨県明野町などが有名です。
向日葵の名所「北竜町ひまわりの里」北海道・北竜町
●9月 – 彼岸花(ひがんばな / Higanbana / Spider Lily)
秋のお彼岸の頃に咲くことから名付けられた彼岸花は、曼珠沙華とも呼ばれます。
真紅の花が田んぼの畦道や墓地に咲き、どこか神秘的で妖艶な雰囲気を放ちます。
毒性があるため、モグラやネズミ除けとして田畑の周辺に植えられてきました。
彼岸花の名所「巾着田曼珠沙華公園」埼玉県・日高市

●10月 – 菊(きく / Kiku / Chrysanthemum)
日本の国花の一つである菊は、10月から11月にかけて盛りを迎えます。
長寿や高潔の象徴とされ、古来より愛されてきました。
各地で菊花展が開催され、見事に仕立てられた大輪の菊が並びます。
菊の名所「弥彦菊まつり」新潟県・西蒲原郡弥彦村
● 11月 – 山茶花(さざんか / Sazanka / Sasanqua)
11月から1月にかけて咲く山茶花は、椿に似ていますが、花びらが一枚ずつ散るのが特徴です。
冬の訪れを告げる花として、庭園や生垣に植えられ、淡いピンクや赤の花が寂しい冬景色に彩りを添えます。
山茶花の名所「萩城跡指月公園」山口県・萩市
●12月 – 椿(つばき / Tsubaki / Camellia)
椿は12月から4月頃まで長く咲き続けますが、冬の花としても有名です。
花ごと落ちるため、武士には縁起が悪いと忌まれる一方、光沢ある葉と美しい花姿から茶道の席などでは重宝されてきました。
椿の名所「東京都立大島公園 椿園」東京都・大島町
●日本の花文化
日本では古来より、四季折々の花を愛でる習慣があります。
それは単なる観賞にとどまらず、和歌、茶道、生け花、祭事などに深く根ざしています。
桜や梅のように人生の儚さを表す花もあれば、菊や椿のように高貴や生命力を象徴する花もあり、それぞれが日本人の精神性や美意識を映し出しています。
●まとめ
このように、日本には一年を通して多種多様な花が咲き誇り、その季節ごとに私たちの心を癒し、文化を育んできました。
インドネシアの皆さんも、日本を訪れる際にはぜひ季節の花を楽しんでみてください。
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- グラフィックデザインやweb、ディレクションも対応するデザイナーです。
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